ター滝でガイドツアーを開催して15年近くになるスピッツリバートレッキングの世古が、ター滝までの道中で出会いやすい生き物について紹介させていただきます。
普通に出会える
オキナワハンミョウ

ター滝フィールドセンター周辺からの道路上、川辺などター滝への往復時に足元でブンブン飛び回っています。
遠目に見た感じは。「派手なちょっと大きめのハエ」のように見えます。
子供たちは網で取りたがりますが、捕まえると牙のような口で挟まれることもしばしば。痛いですがこの種のハンミョウには毒はないので、よく洗って絆創膏でも貼っておきましょう。
ザトウムシ

クモの巣の集まりだと思っているお客様が多いですが、ザトウムシという生き物です。
無毒な生物で、なにも悪いことはしません。ツアーのたびに紹介しているので、ぜひ愛でてあげてくださいね
リュウキュウハグロトンボ

川を歩いていると、美しいトンボが目立ちます。
黒く見える羽は近くによってよく見ると、写真のような青い光沢があります。体のエメラルドグリーンは陽に当たるとなおさらきれいです。
この美しい色彩の個体がオス。

こちらの黒色で地味なのがメス。

交尾しているシーンにも年に何度か遭遇できます。
オスとメスでハート形を作るのがかわいいですよね。
川辺でライブで見れた人はラッキーです。捕まえないで、そっと見守ってください。

同様に産卵シーンも年に数回遭遇します。メスがお腹を川の中の水草や木の根にくっつけていたら産卵中です。
捕まえないで、少し遠くから観察しましょう。
ちなみにオスは産卵中のメスをガードするべく近くで見守っています。そんなトンボの愛のシーンにも注意して観察してみてね。
オオシオカラトンボ

ター滝フィールドセンターから川に行くまでの道中によく飛んでいるイメージだが、ター滝付近でもよく見かけます。
よく見られる、この薄い青色のタイプがオスです。

お腹が黄色いのがメスになります。
写真の角度が悪くて申し訳ない。
ショウジョウトンボ

赤いトンボも見かけます。ター滝周辺では夏の終わり頃に多いかな。

羽の付け根付近に焦げたような模様があるのが特徴です。
赤とんぼのようですが、沖縄には赤とんぼ(アキアカネ)はいません。
ツマベニチョウ

大型でオレンジ色が目立つため、見つけやすいですが、なかなか止まってくれません。
なので撮影は難しい。

幼虫に出会えたらラッキーですね。
ツマベニチョウの幼虫はヘビに擬態していると言われています。
相手を威嚇するために、首を持ち上げて、あたかもヘビのような動きをします。

目のように見える、青い部分は実際の目ではなく、実際の目は肉眼では見えないほど小さいものだそうです。
ギョボクという木の葉っぱが大好きなので、見たい人はまずギョボクを探しましょう。
イシガケチョウ

川の入口付近でよく群れています。
羽を開いたまま止まるので、蛾と間違える人も多いようですが、蝶の仲間になります。

幼虫はおもしろい姿をしている。頭部に2本、背中と尾部にそれぞれ1本ずつ、計4本の角状の突起があります。
アオスジアゲハ

いろんな場所で見られる、アゲハチョウの有名種。都会でも、ちょっと水をまいておくと、飲むために飛んできたりします。
ナガサキアゲハナガサキアゲハ

大型のアゲハチョウの仲間。
黒に白い模様が優雅に見えて、とても目立ちます。
尾状突起がないのが特徴です。

ナガサキアゲハは幼虫も大きくなります。

顔つきがとてもユーモラスで人気があります。
マダラコオロギ

夏のスタートから子どもの個体が増え始めます。

背中の模様がわかりやすい。
8月後半ぐらいからは大人の個体もたくさん見れます。
アオミオカタニシ

この緑のカタツムリは絶滅危惧種に指定されていますが、ター滝周辺では比較的たくさん見られます。
河原の石に付いていることも多いので、踏ん付けてしまわないようにしましょうね。
ヤンバルヤマナメクジ

「日本最大のナメクジ」と紹介してきましたが、実のところナメクジ類は研究が進んでおらず…本種には学名も与えられていません。
この黒っぽい色の個体が大人で、

白っぽい色の個体が子どもと思われます。
体には寄生虫が付いていることが多く、すぐに手を洗えない山中では素手で触らないよう案内しています。
クロヨシノボリ

通年見られる魚。メスのお腹に青く蛍光色に光る卵が見られる個体も少なくありません。

ツアーで実施している「手網での魚すくい」。取れる魚の大半はこのクロヨシノボリです。

観察後はリリースしております。
ボウズハゼ

たくさん見られる、ちょっと大きめの魚の大半はボウズハゼです。
これはなかなか取れません。逃げるの早すぎ…
ルリモンホソバ

大型の毛虫なので、けっこう目立っています。
トレッキング中に自力で探す人もたくさんおられます。
強烈な毒針毛(どくしんもう)はないですが、毛が皮膚に刺さるとアレルギー反応でかゆみや発疹がでる可能性があるため、見つけたら触らないようにお願いしています。

成虫はこんな模様。幼虫はたくさん見るのに、成虫はそんなに見られません。
声はよく聞こえるけれど…
リュウキュウアブラゼミ

鳴き声もよく聞こえるし、一番見つけやすいセミでもあります。
オオシマゼミ

夏の終わりから鳴きはじめ、秋の終わりまで鳴いているセミ。
変わった鳴き声なので、お客様の多くは鳥の鳴き声だと勘違いされておられます。
個体数はけっこう多いので、探してみてね
アカショウビン

鳴き声はとてもよく耳にします。駐車場にいるだけでも声は聞こえます。
姿をゆっくり見れたことは、写真に撮れたこの時だけでした。
ター滝への道中、声が聞こえたら探してみてね
シロハラクイナ

こちらも春頃によく声を聞きます。
姿を見たのは、私も一度だけ。写真は撮れなかったので、こちらは写真サイトからのものです。
季節によっては普通に出会える
オキナワキノボリトカゲ

ツアー中、見れると人気なのがキノボリトカゲ。
体に黄色のラインがオスの特徴。ザラザラした皮膚の感じはカエルなどの両生類とは違い、「ザ・爬虫類」という感じで触ったことのない人たちにも新たな驚きを与えています。

反対に地味な色してるのがメス。
雨の時や寒い時は遭遇率が下がってしまうので、「季節によっては普通に出会える生物」ジャンルに入ってもらいました。
アオカナヘビ

こちらも人気のあるトカゲ。一般的にきれいな個体がオスなのが虫の世界ですが、アオカナヘビは緑のきれいな個体がメスになります。

茶色のラインが入っているのがオスになります。
オキナワヒメトカゲ
ナナホシキンカメムシ

ター滝周辺では初夏によく見られる印象です。
美しいカメムシで、見られるとかなりの確率で驚きの声が上がります。
しかし、カメムシはカメムシ。危険を察すると刺激臭を放ち、カメムシ臭くなってしまうので要注意。
ハラビロカマキリ

夏もたまに見られますが、多く目にするのは断然10-11月。
夏の終わり、河原にはハリガネムシにコントロールされたハラビロカマキリがたくさん見られます。

中には、川の中で見つかるハラビロカマキリもいます。

これは水中写真。こんなカマキリが見れるのは、11月かな…
リュウキュウカジカガエル

カエルは少ない目ですが、いることはいます。よく見るのが地味なリュウキュウカジカガエル。

カエルになった大人よりも子どもの時のおたまじゃくしの方がかわいくて、馴染みもあり、人気があります。
夏は、足の生えてきたステージのおたまじゃくしも見られたりして、いろんなステージの個体が見られて楽しいです。
ホルストアマビコヤスデ

お客様からはムカデに間違われたりするのですが、毒はないです。
ただ歩くだけですが、その歩く様がかわいいです。
素手の上に乗せると、たくさんの足を懸命に動かしている感触がリアルに伝わってきて、命を感じずにいられません。

顔をアップで撮ってみたら、ちょっとエイリアン風な感じでした。
意外な……
肉眼ではここまで見られないので、現地で紹介してもこの表情は見られません、あしからず。
オオウナギ

言うまでもなく、川の中に住んでいるので、見られるかどうかは川の水の透明度次第となります。
夏のツアーでは、午前なら見れる確率はありますが、午後では濁ってしまうので難しいです。
夏以外は、午後でも見られる確率は上がります。
テナガエビ

ター滝周辺には大きなテナガエビも多いのですが、やはり川の透明度次第で遭遇率は変わります。

こんなに大きなテナガエビを取ってみたい人は、夏以外の季節に遊びに来てね。
夏のター滝は人出が多くて、水が濁ってしまうので、マスクを付けても水中はクリアに見れません。だから、テナガエビも探せません。
オキナワミズスマシ

ター滝ではたまに見かける…ぐらいの生き物です。
普段は水面を泳いでいますが、水中を潜れるし、空も飛べるスーパーな虫です。
オキナワオオアブ

梅雨終わりぐらいから初夏の頃にかけて出てきます。黒いものに集まってくるので、その頃に滝に来る人は、白いコーディネートにするのがベター。
刺されると痛いです。
フクラスズメ幼虫

夏の終わりから冬にかけて、けっこう見られます。
一見、毒々しい容姿をしていますが、毒はありませんし、トゲもダミーです。

顔も仮面ライダーV3を想起させる、ファニーフェイス。
探そうとしないと、見つかりませんが、探すとけっこういます。
オキナワヤマタカマイマイ

美味しそうなチョコレートのような風貌のカタツムリ。絶滅危惧II類に分類されています。
アフリカマイマイ同様に広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)という名の寄生虫が付いている可能性があり、素手で触ることはおすすめできません。
たまに出会える
シリケンイモリ

雨後のター滝をトレッキングしているとたまに出てきます。
シリケンイモリは皮膚や耳腺からフグ毒と同じ神経毒「テトロドトキシン」を分泌します。触れるだけなら通常問題ありませんが、素手で触った手で目や口などの粘膜をこすったり、傷口に触れたりすると、しびれや麻痺を引き起こす恐れがあるため注意が必要です

お腹の赤色は、外敵に対して「自分は毒を持っている」と知らせるための警告色と言われています。
オリイオオコウモリ

沖縄のコウモリは大きくて、意外にたくさんいます。身近にも…
夕方にドライブしていると頭上をよく飛んでいます。
ター滝周辺では本当にたまに…昼間でもぶら下がっている個体に遭遇することがあります。

近くに行くと、飛んで逃げられますけれど…

カメラのズーム機能を使って、アップで撮影。首周りに白い毛があるのは、主に成熟したオスの特徴です。
アフリカマイマイ

沖縄では有名な大型のカタツムリ。
いろんな場所で見かけますが、ター滝周辺ではここ数年どんどん数が減っています。
生きている個体にはまったく出会わなくなりました。

お客さんに紹介するときも、死んでしまった貝殻だけを見せることが多いです。
生きている個体には広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)という名の寄生虫が付いている可能性があり、素手で触ることはおすすめできません。
ダイサギ

夏以外のシーズン、午前中のツアーで一番乗りした時にはよく出会っている印象があります。
すぐに飛んで逃げられてしまうので、ゆっくり観察はできません。
レア物
出会えた人は超ラッキーです。
リュウキュウヤマガメ

今まで1度だけの出会い。1972年に沖縄県の、1975年に国の天然記念物に指定されました。
ニホンスッポン

今まで1度だけの出会い。まだまだ子供サイズのスッポンをお客様が発見してくれました。
まさかター滝でスッポンに出会えるなんて…
リュウキュウイノシシ

今まで3度出会っています。
すべて遠くからの出会いで、近くに行こうとすると、すぐに隠れてしまいました。

本土のイノシシに比べると、小型のイノシシ。
体長90〜110cm、メスの体重は30〜50kg、オスでも60kg程度。
コノハチョウ

ター滝周辺では過去に1度だけの出会いです。
沖縄県指定天然記念物(1969年)、準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)。

飛んでくれたから理解できたけれど、止まっているとやっぱりカモフラージュが巧みすぎて、見分けがつかないです。
まとめ
- いろんな生き物が見られるター滝リバートレッキング
- せっかくター滝に行くのなら、いろんな生き物も見てみたい…という人にはガイドツアーは超オススメです
- 季節によって見られる生き物は少しずつ変化していきます
- 夏場の午後はどうしても人出が多いので、生物は減りがちです
- 生き物にベストなのは、9.10.11月のター滝。まだまだ暖かいのに人は少なくなっていくので、楽しめますよー
