2022年コロナ禍の最中、山中に沸いた雨雲が降らせた降水量は16時からの1時間だけで65㎜に達し、ター滝を有する平南川も増水してしまいました。
私の過去に撮影した増水時の写真や映像はお蔵入りしていたのですが、今回の死亡事故を受け、
平時の川と増水した時の川の違いをちゃんとお伝えすることって大切
と、痛感したので2011年からター滝でガイドしているスピッツ世古が平南川の危険な場所、リスクのある行動を紹介し、ガイドなしでター滝を訪れている一般の人も事故を防げるような記事にしたいと思います。
ター滝に行く前にぜひ目を通して向かって頂けたらと思います。
平南川ター滝の増水ってすごいの?
うちなんちゅも観光客も増水した時の平南川ター滝がどれぐらいすごいのか知らないから雨降ってもター滝に向かっちゃうんじゃないの?
増水した時の川の様子をちょっと教えてよ
ではまずは写真を比較してみよう。
ター滝駐車場近くの川の様子を比較
2022/8/8増水後、平時の川
2022/8/6増水時の川の様子
ほぼ同じ角度から撮影した写真です。
水の量、透明感がまったく違います。
動画で見ると水の勢いが伝わるでしょうか?
ター滝への出入り口付近を比較
2018/8/2、平時の川
2016/4/5、増水時の川
皆さん、ここから川に入り、ター滝を目指します。
多くの場合、このエリアは浅いです。
そして、その浅いエリアを歩いて川に入り、ター滝を目指した人は、増水した川に遭遇しても、
再びここを渡れると思ってしまうんですよね。
でも、
ここが危険ポイントです。
絶対に増水している状態のこのエリアを渡ろうとしてはいけません。
こちらの動画は2018/9/11に増水した時に撮影していたものを使用し、このエリアの危険度を周知したい目的で作りました。
経験上、増水した中を頑張って出口まで戻ってきたら、出口の道路がすぐそこに見えているので、なんとかして自力で渡ろうとする人がおられますが、絶対に止めてほしい。
ここより少し上流にコンクリートブロックの置かれている場所があります。
ここのブロックの上、またはその上の竹やぶの辺りで避難してレスキューが来るのを待ちましょう。
ここで待っていれば、レスキューの人が来たらすぐに助けてくれます。
ここで待ちましょう。
絶対に無理をしてはいけません。
川遊びでトラブらないために
そもそもガイドなしでター滝に行くのですから、自分自身で安全を管理しなければなりません。
川遊びも海遊び同様、自然の中で遊ばせてもらっているわけですから、
自然の力をしっかり把握し、ちゃんと向き合うことで危険度をかなり下げられます。
- マリンブーツは履きましたか? ビーチサンダル、スリッパ、裸足は絶対にダメです
- ライフジャケットは着ましたか? もし流されたとしてもライフジャケットを着ていればまだ助かる見込みがあります
- 防水ケースに入れた携帯電話を持ちましょう ター滝ではAU、NTTの電波が入ります。ソフトバンクは入りません
- スタート前、雨雲レーダーを必ずチェック。 黄色や赤色の雨雲が接近していたら、中止する勇気を持ちましょう
- トレッキング中に雨が降ってきたら、必ず雨雲レーダーをチェック。 スタート前には表示されていなかった雨雲が湧いているかもしれません。雨雲レーダーでも予測できない雨雲が発生した場合は増水することが多いです
- 雨雲の接近を知った人は、周囲の人にも情報をシェアし、みんなで早めの下山を心がけましょう
- もう歩けないと思ったら、高い場所に上がって避難して待ちましょう
- 沖縄の豪雨は長い時間続かないことが多いです。止んで数時間もすれば増水した川は水がひいていき普通の川に戻っていきます。それから下山してください。決して無理しないように
真夏の忙しい時なので、とりあえずこれで更新しておきます。
もっと時間が合ったら詳細に書きたい。
でも、明日からもし雨が降ったら………
先日の事故を繰り返さないために、ター滝に遊びに行く人には知っておいていただきたいので、
とりあえずこれだけ書いてサイトに載せておきますね。
川遊び初心者の方、不安な方にはガイド付きのツアーをお勧めします。
9月からは台風の季節。台風が接近すると天候不安定になって急に雨雲が発生することがあるので要注意です
まとめ
- ター滝で増水にあってしまったら
- 高い場所に避難する
- 濁流の中に入らない
- 最後の出入り口付近は最も流されやすい場所です。道路が見えているからといって無理しない。
- 出入り口付近上流にあるコンクリートブロックエリアで避難しておいてください
- レスキューが来てくれたら、このコンクリートブロックエリアにいれば簡単に見つけてくれます。そして助けてくれます
- 無理をする人をみんなで止めましょう
- 沖縄の川の増水は雨が止めば数時間以内に水がなくなって、川は元に戻っていきます
- 焦らないで、パニックにならないで。落ち着いて安全最優先で動いてください
- 命あってこそです。
不安が少しでもある人はガイドと一緒にター滝を楽しみましょう
ター滝のプロに任せれば安心ですよ